臨床研究の利益相反に関する指針の試行について
平成24年11月1日
公益社団法人日本栄養・食糧学会
会長 宮澤陽夫
臨床研究の利益相反に関する指針の試行について
公益社団法人日本栄養・食糧学会では、日本医学会の「医学研究のCOIマネージメントに関するガイドライン」を参考に利益相反(COI)状態を管理するための「指針および指針の細則」を定め、現在これらを一部試行しておりますが、「指針および指針の細則」に関して会員の皆様のご意見を募集いたしました。
本学会の現状を考慮するとCOI管理の試行は時期尚早であり、慎重を期すべきであるというご意見が多く、また、「指針および指針の細則」における数多くの問題点のご指摘もありました。皆様のご意見をもとに理事会で審議した結果、COI管理の試行期間とその運用法を見直すことになりました。
今後は、会員の皆様への学会におけるCOI管理の意義の広報に努め、本学会により適した「指針および指針の細則」への改正を検討し、改めて意見募集をさせていただきます。
「臨床研究の利益相反に関する指針への意見募集」に対して寄せられたご意見について
公益社団法人日本栄養・食糧学会では、学会の「利益相反指針ならびに指針の細則」に関しまして、平成24年8月1日から9月14日まで会員の皆様からご意見を募集いたしました。多数のご意見をいただき、ありがとうございます。
お寄せいただきましたご意見を取りまとめ、集約させていただきました。
I)COI管理について
- 本学会が、COI管理を行う目的を明瞭にし、COI管理を簡略化すべきである。
- COIに関連するガイドラインがある日本製薬工業協会などと異なり、栄養・食糧に関連する業界がCOIに関連した規則の整備を行っていない段階で、日本医学会のガイドラインをもとにした指針を作成し制約を設けることは疑問である。
- 学会におけるCOI管理の重要性について、会員の意識を高めるべきである。
- 学会におけるCOI管理は重要な案件であるにも関わらず、COIに関して広く会員で議論したことはなく、会員への周知が不十分である。
II)対象者
- 対象者として、企業や営利団体に所属する会員および非会員が想定されていない。
- 申告・開示範囲が著者全員、学術講演会(非会員を含む)と広すぎ、研究の推進を阻害することを危惧する。
III)申告・開示内容
- 配偶者・一親等など申告・開示の対象が広すぎ、会員およびその家族のプライバシーに対する配慮に欠ける。
- 申告・開示の基準、報酬額、提供された研究費の基準金額の根拠が不明であり、実際的なものであるか疑問である。申告された金額の多寡をもってどのように判断するのか不明瞭である。
- 申告内容がどのような時にどう判断されるのかについて細かく定めるべき。
- 申告・開示が必要な「基礎研究等」の範囲が不明瞭であり、申告・開示すべき研究の範囲が指針・細則の範囲内であるのか判断できない。
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